2017-01-01から1年間の記事一覧
(17a)矛盾集合に対するドイツ観念論の解釈 自らを要素に含まない要素集合の矛盾は、ツェルメルとラッセルの集合論パラドックスとして知られている。もともとドイツ観念論においてこの問題は、カントにおける自己否定的理性の矛盾として問題視されていた…
「ブレードランナー2049」2017年 製作アメリカ 監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ 主演ライアン・ゴズリング 原作フィリップ・K・ディック 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」1968 細かいことを抜きにして言えば、とても満足のゆく映画であった。なにしろ…
16f)ヘーゲル式幸福論 ヘーゲルにおける現実肯定と諦念は、共産主義や実存主義において憤慨のネタである。ヘーゲルのこの妥協をフランス革命が残した虐殺テルミドールとナポレオンの現実から説明することも可能であろう。しかしカント批判を通じて不可知…
16a)不幸の哲学 ヘーゲルにとってカント哲学は克服すべき不幸の思想である。なぜカント哲学が不幸の思想なのかと言えば、カントにおいて物自体が到達不可能な目的として現れるからである。意識は目的実現を果たせないので、常に悲壮な決意で“事”にあたり…
15l)使用価値と交換価値の矛盾 もともと貨幣を媒介にしない商品交換では、商品交換は交換する相互の自己都合で行われる。すなわちその商品交換では、交換の当事者が互いに自分に必要な物を相手の必要な物と交換するだけである。ただしはそれは、自分に不…
15h)使用価値の二面性と語義の統一 使用価値とは、もともと商品効用であり、個人意識には何らかの快適さとして現れ、意識一般には商品理念として現れたものである。しかし先の記述でその商品効用は、交換価値と同様に、労働力量で表現可能な価値だと判明…
15e)使用価値の度量単位の修正 商品が持つ未来の価値と過去の価値、すなわち使用価値と交換価値が等価であるためには、両者の度量単位を統一する必要がある。ただし上述要領で方向性を定めるなら、度量単位の統一も既に容易である。そもそもマルクスを含…
15a)自由の実体 意識の存在はヘーゲルにおいて支配力、シェリングにおいて可能性として現れた。可能性との比較で言うと支配力は現実性である。しかし支配力は現実化した可能性でもあり、外化において物態を得た自由だとも言える。したがって支配力と可能…
14a)物・自己意識・他者意識 認識は存在によって支えられている。存在が対象を支えるからこそ、意識は対象を捉え得る。存在には物と意識の2形態があり、さらに意識には自己と他者の2形態がある。存在の最初の姿は、直接知の実在である。そしてその実在…
13a)ヘーゲル以後の哲学の開始地点 ヘーゲルにおける認識論は、生命体における自己と対象の結合として始まり、観察者による対象の概念化を経由して、実践者における目的の実現に最終形を見い出した。そこでの認識対象は仕事が目指す目標であり、認識の実…
12a)ヘーゲルの存在論 ヘーゲルは存在者の存在を、他在に対する支配力において語る。したがって或る存在者が他在に対する支配力を一切持たないのであれば、その存在者は存在しない。同様にもし意識が、少なくとも自らの肉体の支配を実現しないのであれば…
11)ヘーゲルの認識論 ヘーゲルにおける認識は、その始まりの姿においてカントにおける観察理性の姿ではない。その原初的姿は生命活動であり、端的に言えば捕食活動である。そこでの意識は、対象の何たるかをあらかじめ知っており、それゆえに対象を自らと…
10)宗教の誕生 物を現実として捉えた場合、意識は現実の対極にある非現実である。当然のことながら純粋意識は、内容を持たない無として現れる。それゆえにこの純粋意識は、純粋思惟と違い本来的に自由である。この純粋意識に対して純粋思惟は、自由を自ら…
資本論の再構成 ・・・ 利潤率低下vs生産性向上 ・・・ 過剰供給vs利潤減少 ・・・ 搾取人数減少vs利潤減少 ・・・ 機械増加vs利潤減少 ・・・ 過剰供給vs必要生産量 ・・・ 労働力需要vs商品市場 ・・・ 過剰供給vs恐慌 ・・・ 補足1:価値と価格 ・・・ 補…
科学 進化論 化学進化 ・・・ 光学異性体 ・・・ 単細胞の発生 自然淘汰と目的論 ・・・ 遺伝子と進化 ・・・ 進化における目的論の復権 相対性理論 ・・・ e=mc2 ・・・ 隠れた変数 ・・・ ローレンツ変換式 ・・・ 時刻の非同時性(1) ・・・ 時刻…
剰余価値理論 ・・・ 労働価値論vs限界効用理論(1)バヴェルクによるマルクス批判の妥当性 ・・・ 労働価値論vs限界効用理論(2)古典経済学の価格理論 ・・・ 労働価値論vs限界効用理論(3)限界効用理論の価格理論 ・・・ 労働価値論vs限界効…
ヘーゲル精神現象学 解題 ・・・ 1)デカルト的自己知としての対自存在 ・・・ 2)生命体としての対自存在 ・・・ 3)自立した思惟としての対自存在 ・・・ 4)対自における外化 ・・・ 5)物質の外化 ・・・ 6)善の外化 ・・・ 7)事自体の外化 ・…
弁証法 ・・・ 弁証法の安売り ・・・ 弁証法の逆立ち(1) ・・・ 弁証法の逆立ち(2) ・・・ 唯物弁証法 ・・・ 階級闘争理論 ・・・ 定立と反定立 ・・・ 論理と矛盾 ・・・ 論理の超出 ・・・ 質的弁証法 ・・・ 量的弁証法 ・・・ 否定の否定 ・・・…
唯物論とは何か ・・・ 総論 ・・・ (物質と観念) ・・・ (素朴実在論) ・・・ (虚偽観念) 哲学史と唯物論 ・・・ 対象の形式 ・・・ (存在の意味) ・・・ 対象の質料 ・・・ (唯名論と実在論) ・・・ (機械論と目的論) ・・・ カント超越論 ・…
各種思想記事 俗物論 ・・・ 俗物 ・・・ 俗物2 ・・・ 俗物3 ・・・ 俗物4:不可知論者 宗教論 ・・・ 宗教 ・・・ 宗教2 実存論 ・・・ 美的実存 ・・・ 善的実存 ・・・ 真的実存 資本構成の高度化 ・・・ 資本構成の高度化 ・・・ 資本構成の高度化…
その他各論 独我論/不可知論 ・・・ 独我論 ・・・ 自我の先験性 ・・・ 不可知論 ・・・ 不可知論2 ・・・ 不可知論3(基底還元論) ・・・ 不可知論4(悪の認識) 原子論 ・・・ 無限分割の不可能性 ・・・ 時空の最小単位 ・・・ 時間的原子論 各論 …
実存主義 実存主義vs唯物論 ・・・ 超越論から存在論へ ・・・ 直観主義か弁証法か ・・・ 現象をつき動かすもの 人間の堕落と運命 ・・・ 頽落概念の基本問題 ・・・ キェルケゴールと頽落 唯物論者:記事一覧に戻る
芸術 ・・・ 忍者武芸帳 ・・・ ブレードランナー/アンドロイドは電気羊の夢をみるか? ・・・ 南京!南京! ・・・ キャリー ・・・ ウエスタン ・・・ 道 ・・・ 死亡遊戯 ・・・ 無防備都市 ・・・ アルジェの戦い ・・・ はだしのゲン ・・・ 模倣犯 ・…
失敗した共産主義 全体主義 ・・・ フォイエルバッハ・テーゼの曲解 ・・・ 旧ソ連の崩壊 ・・・ 労働至上主義 レーニン ・・・ 虚妄のプロレタリアート独裁 ・・・ レーニンの勘違い ・・・ 極左冒険主義者レーニン 新左翼 ・・・ 実は古かった新左翼 革命…
9)国家の外化 目的論的因果の必然性を保証する者は、意識一般である。ただし理性の始まりにおいて、この意識一般はまだ直接態にある。それは自己意識にとっては宗教教団であり、理性にとっては人倫的共同体として現れる。それらは個々の個別者が要求する必…
8)観念の外化 始まりの個別意識において目的論的因果の必然性を保証したのは、個別意識自らである。したがってその目的論的因果の必然は、個別意識にだけ通用する偶然な因果にすぎない。しかし個別意識は、自ら立てたこの偶然な目的論的因果の必然を、因果…
7)事自体の外化 対象についての自己意識の判断は、対象に対峙する自己自身の状態把握の形で、まず快や不快などの感情として個別意識に現れる。それらの感情の現れは対象認識と異なるが、それにもかかわらずそれらはもっぱら感情の原因となる対象と結合して…
6)善の外化 6a)目的論の起点 因果の論理的原型は、意識と肉体の関係にある。肉体の刺激は意識に現れ、意識の決定は肉体の動きに現れる。とは言え、始まりの現存在に意識と肉体の区別は無い。それゆえにそこでの分離していない両者の関係は、因果として…
5)物質の外化 経験論における二者関係は、もっぱら主語に意識ではなく物を措き、「AはBである」として現れる。この文章において主語に意識が現れないのは、自己否定を通じて意識が主人の地位から滑落したためである。また意識の自己自身も、自己疎外によ…
4)対自における外化 「精神現象学解題」のタイトルでこれまでの記事において着目してきたキーワードは、即自存在と対自存在である。この即自存在と対自存在は、もともと現存在が分裂したものであり。その分裂は、意識の対自を契機にしている。つまり意識は…